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んがその情報を受容する。ここの部分で動機づけとか働きかけが重要になってくるわけですが、この時点での動機づけがうまくいかないとあとの部分もスムーズに流れていかないということになります。
患者さん自身が糖尿病をよく理解するということは、医療側から受けた情報は、その治療とかケアを自分の中で処理できて初めて患者さんが自己管理という反応を起こしてくるということです。そうすることによって、医療従事者側が患者さんに対してこの教育は成功だったか失敗だったか。うまく教育目標に達成したかということが評価できるわけです。そしてまたさらに新しい知識を提示するという形で、一連の流れというものができていく。
相互信頼のもう一つの面は、医療スタッフ側の問題です。アメリカでも問題が出てきているのですが、他職種との間、つまり医師と看護婦側、あるいは看護婦と栄養士の間の“隙間”から患者さんがドロップアウトしていくことがあるのです。どのようにドロップアウトさせないようにするかというと、他職種の人にも自分の専門分野以外の内容に興味をもってもらうということが重要になってきます。
では、その解決方法はどうしたらいいかというと、他職種と共用できるカルテあるいは連絡ノートを活用することです。入院している患者さんが、栄養指導を受けるために栄養士さんの部屋に行きます。そういったときに、患者さんのバックグラウンド、つまり男か女が、どこで生まれて、どういう仕事をしているといった一般的な情報はそれぞれの職種の方はもちろん知っているわけですが、それ以下にもっと理解を深めておく必要があります。つまり、病棟にいていまどういう治療をしているのか、この患者さんの場合はどういう気質の人でどういう治療法が向いているか。あるいは、再入院を何回も繰り返していて、知識では十分わかっているのに、どうして何度も入院を繰り返しているのかといったよ

 

 

 

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